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2019年4月1日

カリウムと食事療法(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 糖尿病性慢性合併症の一つである糖尿病性腎症が進行していき慢性腎不全になると、腎臓から尿中へのカリウムの排泄がうまく行われないようになり、血液中のカリウム濃度は5.0mEq /l以上(正常値は3.5~5.0mEq/l)の高カリウム血症になります。血中のカリウム濃度が6.0mEq/l以上になると、心電図上の変化や重篤な不整脈を生じて突然死の原因ともなるため、注意が必要です。このために、慢性腎不全で高カリウム血症となった場合は、食事療法でのカリウム摂取制限や薬物療法でのカリウム排泄促進による血中カリウム低下療法を行う必要があります。

Ⅱ なぜ低カリウム食が必要なのか
 
 カリウムは体に必要な栄養素のひとつで、主に筋肉の収縮を調整するような働きをしています。健康な人はカリウムを多く摂取しても、余分なカリウムはすべて腎臓から尿と一緒に排泄されるために、血液中に貯まることはありません。しかし、腎不全となって腎臓の働きが低下すると、腎臓からのカリウム排泄が不十分となり、血液中にカリウムが貯まりやすくなります。血液中のカリウムがあまりにも貯まりすぎると、筋肉の収縮が上手くいかなくなります。特に問題となるのは心臓で、心臓は筋肉が収縮することで働いている器官ですから、カリウムが貯まりすぎると筋肉の収縮が上手くいかなくなり、不整脈が起こったり、心臓が停止したりする危険性があります。このため、カリウムの摂取制限(低カリウム食)が必要となるのです。

Ⅲ カリウム制限をいつから始めるのか
 
 慢性腎不全などで尿へのカリウム排泄が低下したり、細胞からのカリウムの移動により、血液中のカリウム濃度が5.5mEq/l以上になったら、カリウム制限を始めます。慢性腎不全にまで至らない、糖尿病性腎症3期(顕性腎症)以降では、特に食事中のタンパク質の制限が尿タンパクを減少させて、血清アルブミンを増加させ、腎機能障害の進行を遅らせます。顕性腎症後期(糖尿病性腎症3B期)ではカリウム摂取を制限する必要があります。

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