ビタミンについて（その1）

Ⅰ　サプリメント（マルチビタミン）

　サプリメントを摂ることが静かに流行しています。サプリメントとは様々な種類のビタミン（マルチビタミン）が含まれている薬物のことを指し、これらを摂取することで、体の健康を維持したり、体力の増進を図ったり、病気の予防に役立てようとするものです。
　現在の日本の食糧事情では、栄養失調になることも、ビタミン不足になることもありえません。しかし、指示された栄養バランスが守られていなかったりして、指示された野菜や果物の摂取量が不足したりすると、たとえ一日の総エネルギー量は足りていても、ビタミン不足になる危険性があります。さらに、高タンパク食で低炭水化物食などいう特殊な食事療法を行っている人たちは、ビタミン不足になる可能性があります。このような人たちにとっては、サプリメントは確かに必要です。
　また、最近の研究では、ある種のビタミンが老化を遅らせたり、糖尿病の合併症の一つである、神経障害の予防や治療に有効であることが判明しています。
　従って、ビタミンと上手につきあう方法を知る必要があります。

Ⅱビタミンとは
　
　ビタミンとは、私たちの体を正常に機能させて維持するのに必要な物質の中で、私たち自身の体では作ることができない物質のことをいいます。このため、ビタミンは食事から摂る必要があります。
　ビタミンには水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンがあります。水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿中に排泄されてしまうので過剰摂取の心配はありませんが、脂溶性ビタミンは脂肪組織に蓄積する性質があるため、過剰に摂取された脂溶性ビタミンは、かえってビタミン過剰症を引き起こすこともありますから、注意が必要です。