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2017年4月10日

人工透析について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 血液透析療法(人工透析ともいいます)は腎臓の機能が完全に廃絶した末期腎不全患者さんの生命維持になくてはならない治療法で、腎臓の代わりに血液を人工的に透析することで体の老廃物を体外に排泄し、電解質のバランスを正常に保つ治療法です。
 末期腎不全のもう一つの治療法に腎臓移植がありますが、残念なことに我が国では腎臓移植が行われる頻度が低いために、現在の我が国の末期腎不全治療の主役は血液透析療法となっています。
 我が国では年々血液透析導入患者が増加し、2014年の血液透析導入患者数は3万8327人となっています。また、それにつれて慢性血液透析患者数も増加の一途をたどっていて、2014年末の慢性血液透析患者数は約32万人(人口1000人に2.5人の割合)にも達しています。慢性血液透析患者数の増加の原因は、糖尿病性腎症と腎硬化症による慢性腎不全患者数の増加したことと、血液透析療法の進歩にあるといえます。血液透析を導入する原因疾患の第一位は、1998年から慢性糸球体腎炎に代わり糖尿病性腎症が占めるようになり、また、血液透析を導入する患者の平均年齢も年々高くなってきていて、2015年には69.2歳に達しています。
 
Ⅱ 人工透析の適応
 
 腎臓病が進行して非可逆的な末期腎不全の状態になると、生命を維持して、社会復帰をするためには、腎臓病の原因が何であれ、人工透析か腎臓移植を受けることが唯一の治療法となります。たとえ腎臓移植を希望する場合でも、全身状態の改善のために、最初は人工透析を受けることが必要になります。
 我が国では年齢や患者の病態など、透析療法の適応に特に制限は設けられていません。

Ⅲ 人工透析導入のタイミング
 
 腎臓の機能が廃絶した末期腎不全の状態になると、腎臓の機能、特に排泄機能や体液調節の代行をする目的で人工透析が行われます。人工透析についての理解がかなり広まってきたとはいえ、透析導入後は人工的な操作に自分の生命維持を託さなければならないという、心理的や肉体的な大きな負担を負うことになります。このため、人工透析を開始するに際は、単に検査成績だけではなくて、患者さんの考え方や生活状況などを総合的に判断して、適切に決める必要があります。

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