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2023年3月27日

動脈硬化予防のための食糧療法(その1)

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はじめに 

動脈硬化性疾患の予防と治療では、食事を含めた生活習慣の改善が基本です。食事療法は薬物療法に比べてその効果を比較検討することが難しいために明確な有用性を示すことが難しいことが多々ありますが、日本動脈硬化学会が今回発表した,「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」で示された、日本人に適応する食事療法のガイドラインをみてみましょう。 

Ⅱ ガイドラインでのクリニカルクエスチョン方式 

今回のガイドラインでは、1990年から2015年までの間に発表された食事療法に関する文献を解析して、冠動脈疾患、脳血管障害、その他の血管疾患などの動脈硬化性疾患の発症または死亡と、血清脂質への影響を明らかにすることを目的として、設定されたクリニカルクエスチョンに対するステートメントと推奨レベル(A:強い推奨,B:弱い推奨)を示しています。

1 総エネルギー摂取量:総エネルギー摂取量を制限して適正な体重を維持することは動脈硬 化性疾患の予防に有効か?

→総エネルギー摂取量を制限して適正な体重を維持することは、血清脂質改善に有効である
(推奨レベル:A) 

→血清脂質改善を図ることで、動脈硬化性疾患の発症を予防する可能性がある(推奨レベルA)

2 脂質エネルギー比:適正な総エネルギー量摂取量のもとで脂質エネルギー比率を制限することは動脈硬化性疾患の予防に有効か? 

→適正な総エネルギー量摂取量のもとで脂質エネルギー比率を制限することは血清脂質の改善に有効である(推奨レベルB) 

→減量を含めた生活改善あるいは脂質の摂取内容を修正して減らすことによって,動脈硬化性疾患の発症を抑制できる可能性がある(推奨レベルA) 

3 飽和脂肪酸:飽和脂肪酸を減らすこと、または飽和脂肪酸の摂取量を他の不飽和脂肪酸(一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸)に置換することは動脈硬化性疾患発症の予防に有効か?

→適正な総エネルギー摂取量のもとで飽和脂肪酸を減らすこと、または飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に
置換することは血清脂質の改善に有効で、冠動脈疾患の予防にも有効である(推奨レベルA)

→飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸に置換することによって血清脂質の改善が期待できる(推奨レベルA)

→飽和脂肪酸を極度に制限することは、脳内出血の発症と関連する可能性がある。 

4 n3系多価不飽和脂肪酸(魚、油、αリノレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸)n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やすことは動脈硬化性疾患発症の予防に有効か?

→n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量を増やすことは中性脂肪の低下に有効である(推奨レベルA)

→n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を増やすと冠動脈疾患発症の抑制が期待できる(推奨レベA) 

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