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2018年1月15日

大災害に備える(その2)

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Ⅳ 災害時の生活変化に対応できる準備をじておく
 
 中越大震災時の自衛隊支援の食事内容は、レトルトあるいは炊飯のご飯に副食として
 朝食:海苔、納豆、切り干し大根煮
 昼食:カレー、漬け物、ぜんざい
 夕食:豚玉子丼、のっべ汁
などでした。市町村が供給した食事も高カロリー食で、高塩分食でした。頂いたものを残すのはもったいないと我慢して食べて、肥満や高血圧を悪化させた高齢者も多かったといいます。震災後10日目で最も必要なものは、新鮮な野菜と温かいもの、という要望が強かったといいます。一方、このような支援食が届かずに、連日菓子パンとお握りだけという地域もありました。
 また、被災による運動量の減少と社会参加の制約のためにおきる「廃用症候群」が顕在化しました。65歳以上の高齢者の30%が「歩行困難」に、50%が「一時は戻ったが、雪の影響でまた低下」「戻らないままに」に、35%が{身の回りの行為が困難}になったといいます。被災後の運動不足の克服が大きな問題でした。

Ⅳ 新たな合併症発症の予防対策
 
 阪神大震災での合併症増悪例は、1週間以内に神経障害、2週間以内には神経障害と腎障害、および狭心症と不整脈が多かったといいます。また、震災後の新合併症は、1週間以内に肺炎・気管支炎、その後は心不全と心筋梗塞・狭心症で、下腿潰瘍発症は自宅生活者に多かったといいます。中越大震災では、自家用車の中で生活した人が多くいましたが、「エコノミークラス症候群」の危険性も指摘されています。
 1型糖尿病で強化インスリン療法中の人では、日中の(超)速効型インスリンが注射できなくても、持続型インスリンが注射できていた人にはケトアシドーシスは発生しませんでした。非常時の持続型インスリン注射の有効性が明らかにされたといえます。

Ⅴ 中越大地震で学んだこと

1)インスリンや内服薬、ブドウ糖などは数カ所に分散して、糖尿病手帳(処方内容)も含めて、地震発生後はいつでも持ち出せる様にしておく。
2)十分な水分補給と、毎食前インスリン注射は忘れても持続型インスリンは必ず注射する。
3)カロリー摂取過剰や運動不足に注意する。
4)感染症対策と血圧対策を十分に行う。

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