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2022年7月4日

女性の生活習慣病(その1)

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Ⅰはじめに 
  
現代のわが国では多くの女性が高等教育を受け、社会で活躍しています。また、わが国の女性は平均寿命が86歳を超え、世界でもっとも長寿となっています。ライフスタイルや生活習慣が以前と変化したわが国の女性が、心と体を健康に保ち輝いて生きていくためには、女性自身がライフスパンのそれぞれの時期に必要な保険・医療に関する正しい知識を持つことで、自らの行動変容を促す事が必要です。 

Ⅱ女性における脳・心血管病と生活習慣病
  
平成25年人口動態統計によると、女性の死因別年齢調整死亡率(人口10万対)は1位から順に悪性新生物89.7、心疾患37.0、脳血管疾患23.3であり、脳・心血管病は日本人女性の死因の多くを占めています。このことは男性でも同様にみられますが、女性の場合はその罹患率・死亡率の年齢的な変化に特徴があります。
  滋賀県で行われた疫学調査では、急性心筋梗塞の罹患率は男性の場合40~50歳頃から増加しますが、女性では50~60歳頃から増加していて、約10年遅れていました。またNIPPON DATA80によると、脳卒中・心筋梗塞による年代別死亡率は男性が女性よりも高率で推移しますが、女性は70歳以降急に増加して男性に追いついています。そのほか様々な疫学研究から、女性は50代から脳・心血管病の発症が増加していることが分かりますが、このことはわが国の平均閉経年齢が50歳であることから、閉経後のエストロゲン減少と関連していると推測されます。
 脳・心血管病のリスク因子である生活習慣病も同様の傾向が見られます。平成25年国民健 康・栄養調査によると、女性の高血圧症有病者の割合は経年的に増加し50代で34.7%、60代で57.7%、70歳以上は75.9%にもなります。糖尿病が強く疑われるものの割合は50代で5.5%、60代で11.5%、70歳以上で17.6%と増加、肥満者の割合も40代までは10%台ですが、50歳以降は20%台が続いています。このように、女性は50代から生活習慣病や脳・心血管病が増加していくため、閉経前までは「女性ホルモンにより守られている」ともいえます。将来の脳・心血管病予防のためには生活習慣病の管理が必須で、閉経前女性の中から将来の生活習慣病のハイリスク群を選定できれば、疾病予防対策が早期に講じられるのではないでしょうか。

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