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2023年2月11日

心臓リハビリテーション(その2)

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Ⅲ 心臓リハビリテーション診療の手順 

当然のことながら心臓リハビリテーション対象患者の診療にあたっては、既往歴、現症、各種検査成績を基に、疾患・合併症・併存症の状況などの情報収集や評価を行います。その際、疾患の重症度、心血管病危険因子、合併症の状態を正確に把握するために、詳細な問診、採血・生理検査による精査を行います。対象者の大部分を占める高齢者では、基本的ADL.手段 的ADL.認知機能・抑うつ・意欲などからなる高齢者総合機能評価を併用することでより適切な効果の高い心臓リハビリテーションが行えます。
患者の身体的・精神的・心理的・社会的背景および患者本人の希望に関する個人差を十分に考えて、患者毎にリハビリテーション目標を立てて、包括的に運動療法・心血管病危険因子是正の教育プログラムを立案・実行します。その際、プログラムは適宜再評価を行い、修正を加 えることにより、より効果の高い心臓リハビリテーションとなります。 

Ⅳ 回復期心臓リハビリテーションでの運動処方 

不安定狭心症など運動療法の禁忌となる疾患・病態に合致しない心疾患患者に対して運動療法を行うべきです。運動処方を作成する際に運動負荷試験を行うことが望ましいが、事故防止のため、例えば3~5日以内の急性心筋梗塞患者や下肢血栓症患者などの心肺運動負荷試験の禁忌症例と中止基準を遵守することが大切です。 

Ⅴ 運動療法の実際 

運動療法の構成内容は、①ウォームアップ、②持久力トレーニング、③レジスタンストレーニング、④クールダウンから構成され、通常この順序で行われます。また、レクリエーションなどの 追加運動が加わる場合や、ウォームアップあるいはクールダウンの一部としてストレッチングを行うことが多くみられます。持久性運動の種類はウォーキング,トレッドミル、エルゴメーター、上腕自転車こぎなどが勧められます。運動強度は運動中の心拍数で評価します。運動療法の構成時間はウォームアップ約5~10分、ストレッチング約10分、持久力トレーニング20~60分、レジスタンストレーニング10~30分、クールダウン5~10分となります。持久力トレーニング は週3~5回行い、レジスタンストレーニングは週2~3回補足的に行うことが望ましい。
運動療法を行う上では、①気分が良くないときは避ける、②食後にすぐに激しい運動をしない、③天候に合わせて運動する、④適切な服装と靴を着用する、⑤安全範囲を把握する、⑥自覚症状に注意すること、などが大切です。 

Ⅵ 効果 

回復期心臓リハビリテーションの効果は多面的で,身体的に多くの好ましい効果をもたらすと同時に,最も重要な患者のアウトカムとして心血管イベント発生率の減少、心不全増悪による入院の減少、そして生命予後の改善(全死亡、心臓死の減少)があります。その機序として、運動療法そのものに、冠危険因子の改善、抗動脈降下作用、抗虚血作用、抗血栓効果、抗炎症作用効果、血管内皮機能改善効果、骨格筋代謝改善効果、自律神経機能改善効果など多面的効果があることが考えられています。 
これらの効果を最大限に発揮するためには、心疾患危険因子の是正を目的とした、食事療法 と生活習慣の改善などを併用することが重要です。

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