再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2023年2月20日

SGLT2阻害薬について(その3)

0

Ⅰ 当院で採用しているSGLT2阻害薬
   
スーグラ錠50mg(アステラス製薬)
   デベルザ錠20mg(興和創薬)
   フォシーガ錠5ing(小野薬品・アストラゼネカ)
   ルセフィ錠2.5mg(大正製薬・ノバルティス製薬)
   ジャディアンス10mg.・25mg(ベーリンガー・インゲルハイム)
   カナグル錠100mg(田邉三菱製薬・第一三共製薬) 
   オングリザ錠5mg(協和発酵キリン)

Ⅱ この薬は、どのような作用で血糖値を下げるのか 

腎臓は腰の上あたり、おなかの後ろ側に背骨を挟んで左右一つずつあります。形は空豆に似ていて、重さは一つ120~160g、握りこぶし位の大きさです。 ーつの腎臓は、「ネフロン」と呼ばれる特殊な構造が約100万個集まってできています。ネフロンは、数本の毛細血管が球状に絡まった小さな演過装置の「糸球体」と、糸球体からつながる「尿細管」という管からできています。尿細管はさらに「集合管」へ続き、腎孟を経て尿管から勝胱へとつながっています。 
腎臓の最も大きな働きは、体の中に貯まった老廃物や余分な水分を外に出して,血液をきれいにすることで、これを「ろ過」といいます。このとき、腎臓で最初に作られる原尿は一日に約150 リットルにもなります。もし、実際に一日に150リットルもの尿が出ることはありません。なぜなら、一度原尿が作られた後に水分や栄養など、体に必要な物質を再び体の中に再吸収する機構があるからです。SGLT2とはNa+/glucose co-transporter2の略語で、腎臓の近位尿細管にあるグルコース(ブドウ糖)の再吸収を行う役割を担っている輸送体のことです。グルコースの再吸収の約90%はこの近位尿細管にあるSGLT2により行われています。このSGLT2の働きを阻害することで、グルコースの再吸収を少なくさせ、尿中にグルコースを逃がすことで血 糖値を下げるというのが、この薬の血糖降下作用のメカニズムです。 

Ⅲ なぜこの薬を使うのか 

糖尿病はインスリンの作用不足により引き起こされる2型糖尿病とインスリンの絶対的な欠乏による1型糖尿病があります。1型糖尿病の治療にはインスリン注射によるインスリンの補給が必須ですが、2型糖尿病ではインスリンの作用不足を補うためにインスリンを過剰に分泌している高インスリン血症状態にあるため、インスリン分泌を促す薬やインスリン注射を安易に使用して血糖値を下げようとすると、動脈硬化が促進されるという困った現象がおきてしまいます。なぜなら、インスリンには動脈硬化を促進する作用があるからです。このため、2型糖尿病の人は心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性病変が多いのです。このSGLT2阻害薬はインスリン作用を強めることがありませんから、動脈硬化を促進する心配なく血糖値を下げることができるという大きなメリットがあるのです。 

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日