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2023年1月9日

我が国の糖尿病疾患の死因(その1)

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Ⅰ はじめに 

糖尿病治療の最終目標は、「健康な人と変わらない生活の質の維持と寿命の確保」にあります。このためには良好な血糖コントロールを維持することが重要なことは多くの研究で明らかにされてきました。近年、新しい作用機序の糖尿病治療薬が開発・臨床使用されるようになり、糖尿病治療が著しく進歩しました。この進歩が本当に糖尿病治療の目標達成に貢献しているのかを2001年から2010年の我が国の糖尿病患者の死因ならびに死亡時年齢の全国調査を日本糖尿病学会死因調査委員会が行った全国調査結果からみてみましょう。

Ⅱ 日本人の糖尿病患者の死因 

全症例45.708名での死因の第一位は悪性新生物で、17,510名38.3%、第二位は感染症の7,771名17.0%、第三位が血管障害(慢性腎不全、虚血性心疾患、脳血管障害)で 6,824名14.9%でした。悪性新生物の中では肺癌が3,213名7.0%と最も高率で、次いで肝臓癌2,748名6.0%、麻癌2,600名5.7%でした。血管障害では虚血性心疾患と脳血管障害がそれぞれ2,183名4.8%と3,028名6.6%、慢性腎不全は1,613名3.5%でした。虚血性心疾患のうち狭心症を死因としたのは0.3%で、ほとんどが心筋梗塞でした。また、虚血心疾患以外の心疾患が3,955名8.7%で、その大部分は心不全2,994名6.6%でした。脳血管障害の内訳では、脳梗塞が1,581名3.5%と脳出血944名2.1%の1.7倍でした。感染症では肺炎が5,312名11.6%で感染症の68%を占めました。糖尿病性昏睡および低血糖昏睡による死亡はそれぞれ281名および79名と低率でした。 
死因の性差の関する検討では、男女共に悪性新生物が死因の第一位でしたが、女性(33.9 %)に比べて男性(40.7%)で、なかでも食道癌、胃癌、肺癌、肝臓癌の比率が高かった。血管障害の比率は男性よりも女性で高くオ曼性腎不全、虚血性心疾患および脳血管障害ともに同じ傾向でした。また、虚血性心疾患以外の心疾患は女性に多く、感染症は男性が,糖尿病性昏睡は女性でやや比率が高かったという結果でした。 

Ⅲ 血糖コントロールと死因および死亡時年齢 

血糖コントロールの善し悪しをHbAlcを基準として8.4%未満を良好群,8.5%以上を不良群として分類して判断した場合の、死亡時年齢と死因別の検討では、血糖コントロール不良群は良好群に比べて男女共に1.6才短命で、全ての死因で血糖コントロールが良好な群で死亡時年齢が高いという結果でした。その差は、悪性新生物で0.8歳と最も小さく,血管障害(2.4歳)とりわけ糖尿病性腎症による腎不全(4.7歳)で大きいという成績でした。また、糖尿病性昏睡および低血糖昏睡では、コントロール不良群で寿命が短い(それぞれ6.9歳および10.7歳)という結果でした。虚血性心疾患以外の心疾患としての不整脈では、血糖コントロール不良群で5歳短命でした。

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