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2017年4月24日

日本人の糖尿病の特徴(その1)

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Ⅰはじめに
 
 我が国の糖尿病患者数は20世紀後半から、アジアの中では際だった増加を示しています。この我が国での糖尿病患者数の増加には、第二次世界大戦後の急激な経済発展による豊かな経済に支えられた食生活の欧米化や、労働現場の機械化に伴う身体活動度の低下などの環境要因が関与していています。このようなライフスタイルの急激な変化が、肥満をもたらしてインスリン抵抗性という状態を引き起こしたために糖尿病患者が急増したといえます。このような背景を踏まえて、日本人の糖尿病の特徴を考えてみます。

Ⅱ 糖尿病の頻度と性比
 
 糖尿病患者の頻度に関して、厚生労働省は2012年に糖尿病が強く疑われる人を950万人と推定しました。このデーターをもとに計算すると、40歳以上では男性で15.2%、女性では8.7%となり、「糖尿病の可能性を否定できない人」の割合は、男性12.1%、女性13.1%で、合わせて、男性の27.3%、女性の21.8%が、糖尿病かその予備軍であることが示されました。
 国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けており、2015年現在で糖尿病有病者は4億1500万人の上り、前年より2830万人増えています。有効な対策を施さないと、2040年までに6億4200万人まで増加すると予測しています。
 世界ランキングでは、第一位は中国(1億960万人)ではじめて1億人を越えました。第二位はインド(6920万人)、第三位米国(2930万人)となりました。一方、日本の糖尿病人口は世界九位です。
 糖尿病患者の頻度の性差にも特徴がみられました。我が国では、男女比は1:0.5~0.6で、明らかに男性に高率に糖尿病がみられるのに対して、その他のアジア、イギリス、カナダなどでは、男女差は余りないか、むしろ女性の方が多いとされています。
 
Ⅲ 肥満と糖尿病
 
 アメリカ人には肥満者が多く、中でも高度な肥満者が多くみられます。BMI(Body Mass Index:正常値22)が30以上の肥満者の頻度は18歳以上の人口で33%もあり、日本人の約10倍も多いという統計があります。日本の成人の肥満率は4.5%で、世界ランキングの順位は166位です。
 しかし、これは体脂肪を考慮した肥満率で、内臓脂肪を考慮した検討ではありません。日本人の肥満は体脂肪に比べて内臓脂肪が多いという特徴がありますから、見かけ上の肥満率が低いにもかかわらず、糖尿病有病率が高いという特徴がある、といえます。

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