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2017年11月27日

海外旅行を楽しむために(その2)

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Ⅲ 入国トラブルを防ぐ薬剤携帯証明書
 
 世界各国には、日本と同様に麻薬の取り締まりに関する厳格な法律があります。ほとんどの国の法律では、新聞紙面で密輸事件として報道される大麻やマリファナばかりではなく、医師により処方されている睡眠薬やある種の抗うつ薬が、「麻薬取り締まり」の対象に含まれています。
 2001年の米国同時多発テロ事件より以前は、空港での手荷物検査は今日ほど厳しくなく、個人のプライバシーを尊重する欧米の空港で、日本人旅行者が手荷物を開けて調べられるということは、滅多にありませんでした。そういう経過から、日本人旅行者の間には、海外へはどのような薬剤を持参しても大丈夫という誤解が蔓延しています。しかし、テロ事件以来、全世界の空港のセキュリティー・チェックが厳しくなり、この「麻薬取り締まり」に関する法律が適応されるケースが増加しています。
 困った事例で最も頻度が高いのは、入国の際に分封された白い粉薬を麻薬と疑われ、別室で質問されるというケースです。最終的には疑いは晴れるものの、他のツアーメンバーを長く待たせて、旅程が大きく乱れます。
 また、2004年には、郵便物として3ヶ月分の抗うつ薬を日本から持ち込んだ在米勤務者が、シークレットサービスに銃を突きつけられて家宅捜査を受け逮捕されるという事件も起きています。意外なことかもしれませんが、これは誤認逮捕ではなくて、立派な犯罪なので、起訴されて裁判で有罪判決が下っています。
 米国での麻薬覚醒剤取締法では麻薬は、
第1類:誰が持ち込んでも犯罪となる麻薬類
第2類;重度の依存性のある薬剤(癌による疼痛治療に用いるコデインなど)
第3類;いわゆる睡眠薬です(日本と同様に医師から処方されたものではない場合には、犯罪となります)
第4類;乱用性が低い薬剤
第5類;乱用性はほとんどないが、少量の麻薬を含む薬剤(咳止めや下痢止め等に含まれています)
の5つの区分に分類されています。薬物を安全に持ち込むためには、一定のルールが必要です。
 米国の税関で要求している5つのルールは次のようになっています。
1)薬剤とその類似物には、適切な表示が必要です(市販薬は箱やケースのまま持ち込むようにします。)
2)旅行中に必要な量+予備量を持参する(2週間の旅行なら5~7日分位が予備量として適量です)
3)主治医により使用法などを明記した書類を準備する
4)必ず税関で申告する
5)連絡の取れる主治医の電話番号を必ず記入する
 言葉が上手くしゃべれなくて、コミュニケーションのとりにくい外国では、小さな誤解が大きなトラブルにつながることが少なくありません。日本にいるつもりでいると、思わぬ災害に巻き込まれかねませんので、十分に注意してください。

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