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2016年3月28日

特定保健用食品の使い方(その2)

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Ⅱ 特定保健用食品の有用性と限界
 
「血糖値が気になる人に適した飲料」の一つとして、特定保健用食品の認可を受けたグァバ葉ポリフェノール飲料(蕃爽麗茶)があります。グァバ葉ポリフェノールは、小腸における糖質の分解を抑制し、食後の血糖値の上昇をなだらかに抑える作用があります。メーカーの発表では、食後1時間の血糖値は165mg/dlから150mg/dl前後に抑制されています。さらに、「グァバ茶には、毎日飲み続けることで糖尿病になりにくくする効果もあります。これは、グァバ茶を飲み続けて常に高血糖にならない状態を継続することで、体のインスリンへの感受性が高まることによると思われます。つまり、血糖値をコントロールして、糖尿病になりにくい体質に改善されていくのです」と宣伝しています。
 いかにも、効果がありそうです。糖尿病ではない人が、糖尿病になるのを予防する効果はあると考えて良さそうです。将来、生活習慣病である糖尿病が心配される「健康な人」が、日常の食生活の一助として、将来の危険を軽減するためには有用かも知れません。しかし、グァバ茶を毎日飲んだ人と飲まない人でどれくらい糖尿病になる割合が違うのかということを比較して検討した成績は発表されていません。また、グァバ茶に、直接インスリンの効果を高める作用があるとは証明されていません。しかも、体質が糖尿病になりにくく改善されるという成績も全くないのです。グァバ茶は食後の血糖値を若干下げますが、この程度の効果は、食事中に食物繊維を多く取る、食後に散歩する、さらには、食事量を少し抑えることとほとんど差異がないものと考えられます。

Ⅲ 特定保健用食品の使い方
 
 特定保健用食品に認められた効用・効果は、
1)おなかの調子を整える食品
2)コレステロールが高めの人の食品
3)血圧が高めの人の食品
4)血糖値が気になり始めた人の食品
5)ミネラル(カルシウム、鉄)の吸収を助ける食品
6)食後の血中の中性脂肪を抑え、体脂肪をつきにくくする食品
7)虫歯になりにくい食品
に分けられます。
 これらの効用・効果に共通するのは、生活習慣病の発症を予防すること(一次予防)に注目した食品が多いことです。ここで注意しなければならないのは、これらが、食品であって医薬品ではない、ということです。食品はあくまで食品であり、病気の治療に用いられる医薬品と同一視してはいけないものなのです。

Ⅳ 特定保健用食品に対する考え方

1)特定保健用食品は、生活習慣病の発症を予防する効果があるかも知れない食品である。医薬品ではなく、その予防効果も科学的に十分検討されているとはいえないものであることを認識する。
2)特定保健用食品を薬剤と勘違いして、自分の勝手な判断で、現在の治療を止めてしまい、これだけで病気の治療を行おうとしないこと。

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