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2018年7月2日

現代の「食」を考える(その2)

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Ⅱ なぜ、外食・中食、総菜が売れるのか
 
このような「食の外部化」が進む背景には、近年の家族の世帯構成の大きな変化があります。
国勢調査によると、「夫婦と子供」の世帯の割合は1980年の42.1%から2005年には30.4%にまで減少しています。これに対して、単身世帯は19.8%から27.6%、「夫婦のみ」世帯は7.3%から20.0%にまで増えています。一般的に単身世帯の食生活は外食への依存度が高くなります。厚労省の2002年「国民栄養調査」によれば、30~40才の単身者のうち夕食を外食ですます割合は、男子で54.2%、女子でも41.9%と半数近くになっています。また、2人世帯では家庭で料理を作るより、スーパーで総菜を買った方が安上がりになるなどの理由で、今後も総菜などの利用が増えるものと考えられます。

Ⅲ 食材の海外依存と食の安全性
 
日本の食を巡る状況を考える上で大きな問題として、「食の安全性」の問題があります。特に輸入農産物の安全性に関して消費者の91.4%が不安を訴えています(2003年農水省調査)。日本の食材の海外依存度は日本の食糧自給率の低下に端的に示されています。2003年の日本の食糧自給率は40%にまで低下しています。特に野菜の自給率は1980年に97%であったものが2003年には82%に、魚介類は97%から50%へと大幅に低下しています。野菜の最大の輸入先である中国野菜から基準を大幅に超える残留農薬発見されていますが、このような輸入食品の安全性の検査態勢は極めて脆弱です。厚労省の「輸入食品監視統計」によれば、2004年に検疫所に約179万件の検査の届け出があったのにもかかわらず、実際の行政検査は6.5万件にしかすぎず全体の3.6%しかテェックされていないのです。

Ⅳ 現代の「食」を見直す

1)日本的食生活を見直す
 戦後、我が国の食生活は大きく変わりましたが、栄養摂取量のバランスをみると我が国の食生活は欧米よりもなお健全な方だといえます。2005年の日本の栄養バランスは炭水化物58.0%、脂質28.9%、タンパク13.1%で、適正バランスの炭水化物60.0%、脂質25.0%、タンパク15%に比べると炭水化物が少し不足して脂質を摂り過ぎている傾向にありますが、米国の炭水化物49.2%、脂質39.5%、タンパク11.5%に比べるとかなりまともだといえます。我が国の栄養バランスが比較的健全なのは日本的食生活に欠かせない米と魚介類の消費量がなお大きいからです。しかし、近年コメの消費が減少し肉類の消費が増える傾向にあり、欧米型の栄養バランスになるとともに、肥満や心臓病が増える危険性があります。コメ中心の日本的食事の良さを再確認しましょう。

2)伝統的食文化を見直す
 外食・中食やデパ地下のお総菜は画一的な味に慣らされていると、日本人の味覚が低下する危険性があります。日本の地域で生産された多彩な食材を使った伝統的な料理をもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。
 

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