生活習慣を改善する方法(その1)
Ⅰ はじめに
メタボリックシンドロームという概念が広く認知されるようになり、その根本的な原因としての生活習慣の乱れが問題とされています。しかし、その生活習慣を改善することは容易なことではありません。
Ⅱ 生活習慣を診断しましょう
メタボリックシンドロームは、いわゆる生活習慣病の代表で、その根本的な治療法は生活習慣の改善にあるといえます。この生活習慣を改善するためには、まず、自分の生活習慣の全体像を簡潔に把握する必要があります(表1)。
表1 メタボリックシンドローム改善のための生活習慣診断項目
1 職務内容:職種、勤務形態、出勤、帰宅時間
2 通勤状況:電車、バス、自家用車、歩き
3 身体活動状況:勤務状況、レジャー、スポーツなどの種類と頻度
4 食生活状況:頻度、時間、内容
5 飲酒・喫煙習慣
6 世帯状況:単身、同居家族の有無
最初に考えるべきなのは、職務内容です。一般的に、メタボリックシンドロームは40、50歳代の男性勤務者に多い傾向にあります。その中には、夜遅くまで働き、仕事仲間と飲みに行くことが習慣化している人もいます。帰宅後にもまた食べて、余り間をおかずに寝てしまう。翌朝には胃がもたれて食べられず、食べたとしても簡単な朝食になり、その分夕食の比重が増してきます。こういう悪循環が形成されてしますと、1日のエネルギー摂取量の大半を夕食でとるようになり、肥満しやすくなるのです。
飲酒もそのときの食事の内容や量と関連してカロリーオーバーの原因となります。飲酒量が多い場合には、血圧上昇、高中性脂肪血症、高尿酸血漿の原因になります。喫煙習慣は動脈硬化の予防という意味で重要です。
中壮年勤務者には単身赴任者が多く、食生活が偏りがちです。一人暮らしでは外食が増え、脂肪の多い食品、味の濃い食品が多くなる反面、野菜類が不足しやすくなります。
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