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2016年4月11日

砂糖と上手に付き合う方法(その2)

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Ⅳ ブドウ糖と果糖の代謝
 
 肝臓でのブドウ糖と果糖の代謝では大きな違いがあります。
 ブドウ糖の代謝スピードはインスリンが調節しています。インスリンの働きが十分にないときやインスリンが全くないときは、ブドウ糖の代謝が遅れます。これが糖尿病で血糖値が高くなる理由の一つです。
 果糖の代謝スピードは、ブドウ糖とは異なりインスリンによる調節を受けません。果糖の代謝スピードを調節する経路はありません。このため、肝臓に取り込まれた果糖は、ブドウ糖の2倍以上のスピードで、周囲の状況に応じてどんどん代謝されていきます。エネルギーが不足しているときは、生体エネルギーであるATPを作る方向に代謝されますし、エネルギーが余っている
ときはグリコーゲン、ブドウ糖や中性脂肪を合成する方向に代謝されていきます。肝臓でのグリコーゲンの蓄積量には限りがありますから、果糖の取りすぎは結果として、血糖値の上昇をもたらしたり、高中性脂肪血症が引き起こしたりします。
 また、大量の砂糖が摂取されると、疲労物質として知られている乳酸や痛風の原因となる尿酸の産生が増加して、時に痛風発作が誘発されることもあるといわれています。

Ⅴ 砂糖摂取の適量はどれくらいか
 
 日本人の砂糖摂取量は、世界的な比較の中では決して多い方ではありません。しかし、糖尿病の予防あるいは治療という観点からは、砂糖の摂取量はもう少し少なめにするのがよいと考えられます。
 食品交換表でみると、一日の調味料として使う砂糖は、1200カロリーの食事で6グラムとされています。これは大変少ない量といえます。この量は、以前は1200カロリーの食事では10グラムとなっていたものを、食品成分表に変更があった時に、エネルギー摂取量のバランスを取るために、4グラム減らすことになったからです。このことは糖尿病の患者さんにとってはとても迷惑だったのではないかと思います。
 砂糖の摂取量はどれくらいが適量なのかというのは、とても難しい問題です。いろいろな調査研究の結果では、砂糖の摂取量が一日40グラムを越えるとムシ歯が急増するといわれています。また、50グラムを越えると、血中の中性脂肪が正常範囲を超えてしまうともいわれています。
 それでは、一日の砂糖の使用量としては、どれくらいまで許されるのでしょうか。
 調味料とできあがり商品などに含まれ手いるものも含めて、一日量として30グラムくらい、最大40グラムくらいまでは許されると考えます。調味料としては、砂糖6グラム以内とされていますが、その他の食品、特に加工食品には20グラム位含まれていることを考えると、一日30グラム位までの砂糖の使用は許されるということです。

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