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2024年2月18日

糖尿病と尿酸(その1)

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Ⅰ はじめに 

足の親指の付け根が死ぬほど痛い。関節の一力所が腫れて激しく痛むなら、それは痛風かも知れません、歩けないほど痛みますが、その痛風発作で死ぬことはありません。発作に24時間後が痛みのピークで,3~7日ほどするとウソのように痛みが引いて歩けるようになります。 
この痛風発作の痛みの原因は「尿酸」という物質です。尿酸は血液中に溶け込んでいますが、量が増えると溶けきらない過剰な尿酸が結晶化して関節に溜まります。運動などをきっかけに尿酸塩結晶の一部が関節液中にはがれ落ちると、それを敵と見なして白血球が集まってきます。白血球が攻撃を始めたときに、炎症を起こす物質が分泌されます。これが痛みの原因です。痛風発作が治まって痛みが引いても、関節に尿酸塩結晶がある限り再発する恐れがあります。 

Ⅱ 尿酸とは 

尿酸は最初に膀胱結石の中から発見された物質です。この物質はその後、生物の情報とエネルギーという重要な役割を果たす物質である「プリン体」が体内で分解されてできる燃えカスなのです。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするためのエネルギー物質で、常に体内で作られています。また、私たちの細胞にある遺伝情報を伝える役割を持つ核酸の構成成分もプリン体なので、古い細胞が分解される新陳代謝の過程でこの核酸からプリン体が出てきます。また、プリン体は細胞の中にあるものですから、動物・植物いずれの食品からも体内に入ります。これらのプリン体は主に肝臓で分解されて尿酸となり、一時的に体内に取り込まれた後、尿や便として排泄されます。ほとんどの動物では尿酸は分解され、体内には貯まりませんが、ヒトと一部の霊長類は尿酸を分解する酵素が遺伝的に欠損しているため、尿酸が貯まる傾向かあります。 

Ⅲ 高尿酸血症とは 

1日に体内で産生される尿酸はおよそ700mgです。1日で排泄される量も700mgなので、体内の尿酸は常に一定の量(健康成人の場合およそ1,200mg)に保たれています。これを 「尿酸プール」といいます。体内での尿酸収支が合わず黒字になった状態が高尿酸血症です。 
この原因には、1)尿酸の腎臓からの排泄が低下してため、2)尿酸の産生が過剰なため、3)排泄低下と産生過剰の混合型の三つがあります。

Ⅳ 尿酸の正常値は 

健康診断、人間ドック、住民健診などの検査を受けると、尿酸の血液中の濃度は、「尿酸値」 や「血清尿酸値」と記入されています。男女共にこの値が7.0mg/dLまでは基準値内で、これを越えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。よく検査結果の報告用紙には正常値とか基準値とか書かれていて、血清尿酸値の場合、男性で3.8~7.5mg/dL,女性で2,4~5.8mg/dLと記載されていることもありますが、これは参考程度に留めておいて結構です。尿酸の基準値を7mg/dLとする理由は、血奬中の尿酸の溶解度を基準にしているからです。通常の条件では、血奬中の尿酸は7mg/dLまでは溶けますが、これ以上では結晶になるからです。 

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