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2021年11月15日

脳卒中について(その2)

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Ⅳ 脳卒中の頻度
 
1999年から2012年までの脳卒中データバンクに登録された101,957人の集計によると、
アテローム血栓性梗塞19.5%、アテローム血栓性塞栓4.6%、ラクナ梗塞22.4%、心原性脳塞栓症19.9%、脳梗塞(その他) 5.2%、高血圧性脳出血14.4%、脳出血0.4%、くも膜下出血5.3%、一過性脳虚血5.4%となっていて、脳卒中の約77%が虚血性脳卒中でした。

Ⅴ 虚血性脳卒中と出血性脳卒中の病型別にみた年代別頻度
 
脳卒中は加齢と共に増加すると思われがちですが、出血性脳卒中は60歳未満が最も多く、虚血性脳卒中も70代までは加齢と共に増えますが、多くは80歳を越えると減少する傾向を示します。80歳を過ぎても増加するのは心原性脳塞栓症だけです。これは非弁膜症性心房細動が加齢と共に直線的に増加していることと関係していて、高齢者での脳卒中では重要です。

Ⅵ 脳梗塞の疫学
 
脳梗塞では症候性ラクナ梗塞が高血圧治療と栄養改善で減少し、糖尿病や脂質異常症の増加によるアテローム血栓性梗塞が増加傾向を示しています。しかし、最近では健康な食生活や運動に対する意識が強くなってきたこともあり、肥満などの増加とアテローム血栓性梗塞が比例して増えてはいなくて、むしろ横ばいかやや減少傾向にあります。高齢化が急激に進行した結果、加齢と共に直線的に増加する非弁膜症性心房細動が欧米と同様に増加した結果、心原性脳塞栓症が着実に増加してきています。

Ⅶ 出血性脳卒中の疫学
 
くも膜下出血の頻度はこの13年間で減少しています。その理由として、MRA検査の普及により脳ドック等で未破裂脳動脈瘤が発見される機会が多くなり、予防的に手術される例が多くなったためと考えられています。
 一方、高血圧性脳出血による死亡は前述したように高血圧の治療と栄養改善で激減しましたが、出血性脳卒中の中に占める割合がやや増加傾向にあります。高血圧管理も昔に比べて改善し、栄養過多の時代になっているのになぜ脳出血が増えるのか疑問ですが、ひとつの可能性として脳梗塞に対する抗血小板薬投与が普及しすぎたために、強力な抗血小板薬が過剰投与されたためという可能性が指摘されています。 

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