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2016年7月11日

腎臓について(その1)

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Ⅰ 腎臓の働き
 
 腎臓は握り拳位の大きさの臓器で、左右一対、合計2個の腎臓が、腹腔内の背中側の筋肉についています。
 腎臓の働きは、血液を浄化して血圧をコントロールすることです。腎臓は血液中の老廃物や毒素を除去しながら、タンパク質などの体に必要な物質は逃がさないようにしています。
 腎臓の中でも、血液を濾過する毛細血管の小さな球状の固まりを「糸球体」といいますが、この糸球体が糖尿病などで障害されると、腎臓の機能が低下してきます。
 正常な糸球体は、高い血圧下で血液を濾過します。ミネラル、老廃物や水分などが糸球体の毛細血管の膜を通過していき、尿という形で体から排泄されていきます。タンパク質の様な分子量の大きい物質は、毛細血管の細かい膜の穴を通ることができませんので、再び体の中に取り込まれていきます。

Ⅱ 糖尿病の腎臓
 
 糖尿病が原因で糸球体が障害されると、糸球体の膜はタンパク質などの体に必要な成分を保持することができなくなります。最初は、比較的小さな分子のタンパク質(アルブミンといいます)が、尿中に漏れて出るようになります。この状態を微量アルブミン尿といいます。微量アルブミン尿は糖尿病が原因で腎臓に障害が起こり始めたという最初の信号です。この状態は、糖尿病のコントロールが悪いと、糖尿病と診断されてから5年から15年の間に起こります。この時期から更に数年後には、糸球体がもっと大きな分子のタンパク質も保持することができなくなり、尿中に大量のタンパク質が漏出するようになります。この状態をタンパク尿陽性といいます。さらに状態が進行すると、腎臓の機能が全く廃絶してしまう、腎不全という状態にまで進行していきます。

Ⅲ 糖尿病で腎臓が悪くなる危険因子
 
 糖尿病の治療が不十分で、血糖コントロールが悪い状態が長く続くこと自体が腎臓を悪くする危険因子であることは間違いありませんが、これ以外にも腎臓病を進行させる危険因子があることが知られています。
 その中でも高血圧が腎臓病の悪化に大きな役割を果たしていることが指摘されています。血糖コントロールよりも血圧のコントロールの方が糖尿病性腎症の進行を抑えのに有効だという意見もあります。
 次に注目されているのは遺伝です。現在までの所、どの遺伝子が関係しているのかは不明ですが、両親や兄弟に糖尿病が原因で腎臓を悪くした人がいる人は要注意です。反対に、これまで40年位糖尿病に罹っていても腎臓が悪い兆しのない人は、まず腎臓は大丈夫でしょう。

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