再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2019年12月16日

血糖自己測定について(その1) 

0

Ⅰ はじめに
 
血糖自己測定(Self-Monitoring of Blood Glucose:SMBG)は、主に1型糖尿病などのインスリン治療を受けている患者での今日の治療で重要な役割を負っていると同時に、2型糖尿病でインスリン治療を受けていない患者さんでは保健適応がないために、一部の限られた患者さんで行われているに過ぎませんが、全体としてはかなり普及してききました。このSMBGが普及した要因には、技術革新、即時性、保健適応などが挙げられますが、まだまだ多くの問題があります。

Ⅱ  血糖測定器の測定原理
 
現在、我が国で利用可能な血糖自己測定器の測定法は2種類しかありません。酵素比色法と酵素電極法です。この両者の測定原理は共通している部分が多いのですが、機種により細部は微妙に異なります。

1)酵素比色法
 この方法は安定した結果が得られるという利点がある反面、反応時間がかかるため、測定結果がでるまでの時間が30秒から60秒かかるという欠点があります。 この方法のポイントは次の通りです。
  (1)グルコースを酸化酵素で反応させる。
  (2)最終産物の色素に特定の波長の可視光線をあて、その反応光の光量の減少をセンサーで測定する。
  (3)グルコースの量と光量の減少は比例するので、グルコース濃度が算出できる。

2)酵素電極法
 酵素比色法では結果が得られるまで時間がかかるという欠点を補うために開発されたのがこの測定法です。5秒から15秒程度の単時間に結果がでます。この方法のポイントは次の通りです。
  (1)グルコースを酵素(酸化酵素か脱水素酵素)で反応させる。
  (2)最終産物のe-を陽極で電流値として測定する。
  (3)グルコース量と電流量は比例するので、グルコース濃度が算出できる。

Ⅲ 保健適応について
 
SMBGが我が国で普及するようになった一番の要因は、「インスリン使用者に限る」という制約はあったものの、1980年代後半に保健適応されたことといえますが、この保健適応に対応する問題点は、その不十分さにあるといえます。
 今でもSMBG機器の保健適応はインスリン使用者に限られていますが、経口糖尿病薬で治療している糖尿病患者さんであっても、SMBGを行うことで血糖コントロールが改善することは多くの研究で明らかにされています。早急にこの制限が撤廃されることが望まれます。
 また、SMBGの保健適応があるインスリン治療中の患者さんでも、血糖測定用センサーの月当たり支給枚数が制限されているという問題があります。1型糖尿病患者さんはインスリンの頻回注射を行っている場合が多く、注射する前には血糖値を測定することが一般的なため、測定回数を一律に決められないためです。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日