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2021年6月28日

運動療法のメカニズムとその実際(その4)

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Ⅵ 家事も運動になる?
 
日常生活の中では、様々な活動があります。例えば、同じ時間だけ行えば自転車も歩行と同等の効果があります。自転車に20分乗ることは、20分歩くことと同等、歩数で換算すると約2,000歩に相当します。しかし、近くに買い物に行くときに、歩いて10分のところに自転車を利用すると5分で着いてしまいますので、自転車も不要なときには利用しないようにするだけで、活動量は増えます。自転車を利用するときには、少し遠くまで買い物に行くようにしましょう。
 それ以外の活動も、大まかに歩数に換算できます。例えば、15~20分続けた場合、自転車の他、水中歩行、ゴルフなどは2,000歩の歩行と同程度の活動量になります。また、生活活動の中では、掃除、ガーデニング、子供一緒に遊ぶなども同じように計算できます。
 
身体活動の換算表(15~20分続ければ約2,000歩に相当する身体活動)
運動      普通歩行から速歩、自転車、水中歩行、ゴルフ
生活活動    掃除、ガーデニング、立ち仕事、子供と遊ぶ

 スポーツクラブに行くようになってからHbA1cが8%から6%まで数ヶ月間で改善したと喜んでいる患者さんがいました。でも、よくよく聞くとスポーツクラブで運動したのではなくて、パートで掃除の仕事を始めただけでした。2時間掃除を続けると、それだけで10,000歩を超える活動量に相当します。ちょっと発想を変えて、日常生活で動くことを意識するのも良いでしょう。

Ⅶ 糖尿病以外の疾患における運動の効果
 
運動は、糖尿病以外にも高血圧、高脂血症、動脈硬化症に対して、予防や改善効果があることが分かっています。
 これ以外にも、最近分かってきた例として、癌に対する効果が上げられます。身体活動が多い人は少ない人に比べて癌のリスクが低いことが。最近の調査で明らかとなってきており、その中でも大腸癌はほぼ間違いないとされ、乳がんもその可能性が高いことが示唆されています。
 癌は日本における糖尿病患者の死因の第1位になっており、この点でも運動の役割は今後増えてくると考えられます。運動療法と癌の関係は患者さんばかりでなく、医療者側も知らないことが多く、運動を始める大きな動機付けになることでしょう。
 
 Ⅷ 運動をする前に確認しておくべきチェックポイントとは
 
運動は体によい面もありますが、合併症がある人は注意して取り組む必要があります。特に、息をこらえるような運動は急激に血圧が上がり、網膜症、腎症、心疾患のある人では注意が必要です。薬物療法をしている人では低血糖に対する予防策を忘れてはなりません。禁忌でなければ、歩行以外にもう少し負荷の強い運動や筋力トレーニングも取り入れてみましょう。

 

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