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2016年11月7日

運動療法の新しいモデル(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 一週間にわずか20分間運動するだけで、心肺機能を高め、体力を増強させ、代謝を活発にすることができるといわれたら、みなさんはどうしますか。おそらく、多くのひとは「そんなことはありえない」と、信用しないでしょう。これまで私たちは、運動療法は、定期的に一定時間以上行わなければ効果がないと、信じてきました。歩行、自転車漕ぎ、水泳、エアロビ体操などの有酸素運動を定期的に行うように、これまで指導されてきました 。もし、これらの有酸素運動の替わりに、筋肉トレーニングをすることで、同じような運動効果がより簡単に得ることができるとしたら、どうでしょうか。そんなうまい話はないと、多くのひとはいうことでしょう。ところが、最近の研究では、筋肉トレーニングを上手に行えば、体力を増強させ、若さを保ち、心肺機能を高め、脂肪代謝と糖代謝が活性化することが明らかにされたのです。

Ⅱ有酸素運動と筋肉トレーニング
 
 有酸素運動をすると、全身の大きな筋肉が、一定のリズムで収縮運動を繰り返し、心拍数や呼吸数が増加します。ジョギング、歩行、トレッドミル、エアロビクス体操などの有酸素運動を効果的なものにするためには、一回の運動を少なくとも15分以上持続して、軽度から中等度の強さで、少なくとも週に三回以上おこなう必要がありました。
 一方、筋肉トレーニングは、特定の筋肉だけを使い、外部の負荷に抵抗させながら運動させるもので、その強度はかなり高いものになります。この筋肉トレーニングの負荷の強さはいろいろな程度に設定できます。自分自身の体重を負荷にする腕立て伏せから、適当な重りを付けたバーベルの挙上や、筋肉トレーニング用のマシンを使って特定の筋肉に負荷をかける運動をすることもできます。
 有酸素運動が体の大きな筋肉をいっぱい使ってかなり長時間行われるのに対して、筋肉トレーニングは特定の筋肉の単時間の運動になります。ひとつひとつの筋肉を単独に訓練するのは、その筋肉を鍛えるの最善の方法ですが、筋肉の疲労は貯まりやすく成ります。このため、筋肉トレーニングの時間はせいぜい数分から時には数秒という短い時間になります。
 

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