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2020年2月10日

高尿酸血症・痛風(その2) 

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Ⅴ 腎障害
 
血清尿酸値は慢性腎臓病(CKD)の発症や進展と関係します。また、高尿酸血症は腎不全の危険因子であることが明らかになりました。

Ⅵ 尿路結石
 
尿路結石の危険因子は、1)尿量低下、2)高尿酸血症、3)酸性尿です。しかし、高尿酸血症があっても、必ずしも尿路結石の頻度は増加しませんが、持続する酸性尿は尿路結石の最も大きな危険因子といえます。

Ⅶ 高尿酸血症の治療目標
 
高尿酸血症が持続することでもたらされる体組織への尿酸塩沈着を解消して、痛風関節炎や腎障害などの尿酸沈着症状を回避することが狭義の高尿酸血症の治療目標になります。また、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などの合併症についても配慮して、生活習慣を改善して、心血管疾患のリスクが高い高尿酸血症・痛風の生命予後の改善を図ることが最終的な治療目標となります。
 痛風患者で尿酸結晶を溶解除去して痛風関節炎の再発を防止するためには、血清尿酸値を6.0mg/dL以下に保つことが治療目標となります。痛風関節炎や痛風結節は認めないが、持続的に血清尿酸値が7.0mg/dL以上の無症候性高尿酸血症については、血清尿酸値が8.0mg/dL以上、特に9.0mg/dL以上の人に将来の痛憤関節炎の発症率が有意に高いという調査報告があります。生活指導を含めた積極的な薬物治療が必要です。

Ⅷ 高尿酸血症・痛風の生活指導
 
高尿酸血症・痛風は代表的な生活習慣病であり、生活習慣の是正を目標にした生活指導は、薬物療法の有無にかかわらず重要な役割を果たします。この生活指導は、食事療法、飲酒制限、運動の推奨が中心で、肥満の解消は血清尿酸値を低下させる効果が期待されています。

1 食事療法:入院患者を除くと、厳密な低プリン食を毎日摂ることはまず不可能に近いため、高プリン食を極力控えるようにします。プリン体として1日の摂取量が400mgを超えないようにします。

2 飲酒制限:アルコール飲料は、プリン体の有無にかかわらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため、アルコールの種類を問わず過剰摂取は厳に慎むべきです。特に、ビールはプリン体を多く含むばかりでなく、エタノール等量で比較すると他の酒類よりも高エネルギー飲料であるため、肥満を助長する可能性があり、注意すべきです。

3 運動の推奨:過度な運動、無酸素運動は血清尿酸値の上昇を招くため避け、週3回程度の軽い有酸素運動を継続して行うことが望ましいとされています。

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