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2022年10月24日

高齢者認知症と運転免許(その1)

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Ⅰ はじめに
  
高齢者が引き起こした交通事故の報道が多くなりました。高速道路を逆走して対向車と衝突したり、踏切から線路に入り込み電車と正面衝突したりして死傷者がでた重大事故の報道もありますが、多くの場合はアクセルとブレーキを間違えてコンビニに突っ込んだというような些細な事故の報道がほとんどです。このような背景から平成29年3月12日に道路交通法が改定されて高齢者認知症の運転免許が制限されるようになりました。 

Ⅱ 高齢運転者による交通事故の増加 
   
75歳以上の高齢ドライバーによる死傷事故が年々増加してきていて、平成16年から26年の10年間では、「75歳未満」に対して「75歳以上」の死亡事故率は約2倍にも及びました。この原因として考えられるのが、加齢に伴う認知機能低下による記憶力・判断力の低下の影響です。運転時の違反行為の割合を調べたところ、記憶力・判断力が「心配ない人」と「低くなっている人」を比較すると、「低くなっている人」の方が、信号無視2.3倍、一時停止不停止1.8倍、運転操作不適1.4倍、進路変更違反1.5倍と1.4~2.3倍と高い割合で違反行為をしてしまうことが判りました。また、平成25年度中に75歳以上が起こした死亡事故471件のうち、「認知症のおそれ」がある人が17人(3.9%)、「認知機能低下のおそれ」のある人が164人(37,4%)と高率であることが判りました。
  このような結果を得て、今回の道路交通法の改正が行われるようになったのです。 

Ⅲ 平成29年3月12日から施行される改正道路交通法の概要 
 
この改正道路交通法では75歳以上の高齢者の運転に関する内容が大幅に変更されました。

①運転免許を更新するとき 

75歳未満:高齢者講習(合理化)2時間
75歳以上:更新時の認知機能検査
a)認知症のおそれ       →臨時適性検査または診断書提出命令
b)認知機能の低下のおそれ   →高齢者講習(高度化)3時間
c)認知機能の心配なし     →高齢者講習(合理化)2時間 

②一定の違反行為をしたとき

75歳以上:臨時認知機能検査
a)認知症のおそれ       →臨時適性検査または診断書提出命令
b)認知機能の低下のおそれ
c)認知機能の心配なし
※b)、c)で検査結果が前回よりも悪くなっている場合→臨時高齢者講習 2時間

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